top of page

ピロリ菌除菌と保険適応基準

20 時間前
読了時間: 5分

健診などでピロリ菌抗体陽性とされたのですけど、どうすればいいですか?そちらで除菌治療はできますか?という問い合わせが非常に多いです。


ピロリ菌の検査および除菌治療を公的医療保険の適用で受けられるパターンは、患者さんの受診のきっかけや診察状況によって主に3つのパターンに分かれます。


どのパターンであっても、

保険適用となるための根本的な条件は

「半年以内(長くて1年)に上部消化管内視鏡(胃カメラ)を受けて慢性胃炎/萎縮性胃炎などの指定疾患の診断があること」

および

「ピロリ菌検査で現在の感染(現感染)が確認されること」

の2つを満たすことです。


保険適用でピロリ菌除菌を実施できるパターン3


パターン1:

胃の症状や診察をきっかけに、直接「上部消化管内視鏡(胃カメラ)」を受けた


流れ:

  • 他医療機関で上部消化管内視鏡(胃カメラ)を実施。半年以内(長くても1年以内)

  • 胃粘膜を直接観察し、「慢性胃炎・萎縮性胃炎」や「胃・十二指腸潰瘍」と診断される。

  • 検査時(粘膜組織の採取)または後日(尿素呼気検査・便中抗原検査など)に現感染の確認検査を行い、「陽性」と判定。

   もし、3.の実施を上部消化管内視鏡(胃カメラ)をした医療機関でされなかった場合には、その結果を当院(ながたクリニック)に持参して頂ければ、後日、もっとも医学的に精度の高い尿素呼気検査を日時を計画します。

4. 確定検査で「陽性」となれば、ピロリ菌除菌治療を開始。

5. その後6~8週間後に除菌ができているかのための検査として、尿素呼気検査を計画。

  • 保険適用の範囲: 上部消化管内視鏡(胃カメラ)検査、ピロリ菌確定検査、除菌治療のすべてが保険適用となります。


パターン2:

健診・人間ドック等で「ピロリ菌抗体陽性」と判定された。上部消化管内視鏡検査未実施。


流れ:

  • 健診の結果用紙(抗体陽性)を持参して当院(ながたクリニック)を受診。

  • 当院連携施設での上部消化管内視鏡(胃カメラ)を予約させていただき、慢性胃炎等の有無と早期胃がんが潜んでいないかを確認。予約は当院でWEB予約を行います。

  • 慢性胃炎等の診断のもと、保険診療でピロリ菌現感染の確定検査としての尿素呼気試験を実施し「陽性」を確認。

  • その後6~8週間後に除菌ができているかのための検査として、尿素呼気検査を計画。

  • 保険適用の範囲: 健診の抗体検査自体は自費や健診枠であっても、受診後の上部消化管内視鏡(胃カメラ)、確定検査、除菌治療はすべて保険適用となります。


パターン3:

半年以内(長くても1年以内)に他院や健診で「上部消化管内視鏡」を受け、慢性胃炎等の診断があるも、ピロリ菌未実施のパターン


流れ:

  • 日付入りの検査結果報告書(「慢性胃炎」や「萎縮性胃炎」の記載があるもの)や画像データ(CD-R等)を持参して受診。

  • 再度の上部消化管内視鏡(胃カメラ)を受けることなく、そのまま保険診療で現感染の確定検査として、尿素呼気試験を当院で日時を計画。

  • 確定検査で陽性が確認され次第、除菌治療を開始。

4. その後6~8週間後に除菌ができているかのための検査として、尿素呼気検査を計画。

  • 保険適用の範囲: 再度の内視鏡検査を省略して、確定検査および除菌治療が保険適用となります。


保険適応でピロリ菌除菌を実施できないパターン3


パターン1:上部消化管内視鏡検査なしで健診のピロリ菌抗体検査で陽性


【保険適用で直接除菌できない理由】

1:保険制度上のルールを満たしていないため

公的医療保険で除菌治療を行うには、事前に上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を受け、「ピロリ菌感染性胃炎(慢性胃炎・萎縮性胃炎)」などの指定疾患の確定診断を受けていることが必須要件となっています

2:早期胃がんの見落としリスク(医学的理由)

除菌治療を行うと胃粘膜の炎症が鎮まりますが、それによって潜んでいた早期胃がんが内視鏡で見えづらくなる現象(除菌後胃がん)が生じます

胃がんがないかを事前に確認せずに除菌することは医学的に危険なため、内視鏡検査が必須とされています

3:現在の感染(現感染)が未証明のため

健診の抗体検査(血液・尿)は「過去に感染していた履歴(既感染)」でも陽性が出ることや「偽陽性」が含まれるため、現在も体内に菌がいるかが証明されていません


パターン2:

上部消化管内視鏡検査で異常なしで健診のピロリ菌抗体検査で陽性


【保険適用で直接除菌できない理由】

1:保険適用の対象となる指定疾患がないため

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を受けても、「慢性胃炎・萎縮性胃炎」などの病変が認められず「異常なし」と診断された場合は、保険適用の前提となる疾患がないため保険が使えません


2:実際にピロリ菌が存在していない(過去の感染や偽陽性)可能性が高いため

胃粘膜に炎症や萎縮の所見がない場合、抗体陽性であっても「過去に感染していたが自然に菌が消えた(既感染)」または「偽陽性」である可能性が高く、除菌治療の必要性自体が低いためです


パターン3:

上部消化管内視鏡検査で慢性胃炎、萎縮性胃炎の結果あるもピロリ菌検査未実施の場合


1:「現在ピロリ菌がいること(現感染)」が未確認のため

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で慢性胃炎の診断がついていても、健診等の抗体検査だけでは過去の感染歴や偽陽性の可能性を完全には排除できません

現在も菌が存在するかを確認する確定検査(尿素呼気試験、便中抗原検査、迅速ウレアーゼ試験など)を経ずに、いきなり除菌薬(抗生物質)を処方することは認められていません


2:★重要ポイント(保険適用で検査が可能)

このパターン3の方は、すでに保険適用の必須条件である「上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)による慢性胃炎・萎縮性胃炎の診断」が済んでいます。そのため、「保険適用で現感染の確定検査(尿素呼気試験や便中抗原検査など)」を受けることが可能です。その確定検査で「陽性」と判定されれば、そのまま保険適用で除菌治療へ進むことができます。


ピロリ菌検査や治療に関しての詳細な内容はコチラをクリックください♪




 
 

since 2008 Nagata Clinic

bottom of page