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ピロリ菌除菌治療/除菌確認検査
ピロリ菌とは?
ヘリコバクター・ピロリは、胃の粘膜に生息するらせん形の細菌です。鞭毛(べんもう)と呼ばれる毛を使って活発に運動します。「ウレアーゼ」という酵素を産生し、胃内の尿素をアンモニアに分解することで周囲をアルカリ性に中和し、強酸性の胃の中でも生息可能です。
感染経路と感染率
感染経路は明確には解明されていませんが、胃酸や免疫がまだ弱い幼少期に経口感染し、慢性的な炎症を起こします。成人発症も稀ですが報告されています。衛生状態が十分でなかった時代の井戸水などを介した幼少期の経口感染が有力とされています。現在の日本では感染者数が減少傾向にあるものの、依然として約3000万人の感染者がいると推定されています。特に高齢層での感染率は高く、60歳以上では70%近くに達します。
関連疾患とリスク
ピロリ菌感染は、胃粘膜に慢性的な炎症を引き起こし、様々な消化器疾患の根源となります。
• 胃潰瘍/十二指腸潰瘍: 患者の90~100%がピロリ菌に感染しているとされ、除菌治療によって潰瘍の再発が著しく抑制される
ことから、ピロリ菌が潰瘍発生に深く関与していることは明らかです。
• 萎縮性胃炎: 胃粘膜の炎症が長期化することで胃粘膜が薄くなる状態です。胃がんの前段階と考えられています。
• 胃がん: ピロリ菌感染は胃がんの最大のリスク因子です。ある報告では、ピロリ菌感染者が10年後に胃がんを発症した割合は
約2.9%であったのに対し、非感染者からの発症例はなかったとされています。除菌は胃がん予防の重要なステップです。
推奨検査の選択
初めての検査:
胃粘膜の状態(胃炎や潰瘍の有無)を直接確認できるため、胃内視鏡と同時に行う迅速ウレアーゼ試験が最も推奨されます。
ピロリ菌はウレアーゼという酵素で周囲の尿素を強アルカリのアンモニアに変えて周囲の胃酸を中和し、胃に持続感染し続けることを可能にしています。この検査では、胃カメラ検査で採取した組織のウレアーゼ活性を調べます。特殊な反応液を使って迅速に結果を得られますが、ピロリ菌除菌治療後の判定には用いません。当院では、胃内視鏡は実施しておりませんので近隣対応医療機関と連携対応をしております。他院/健診/人間ドッグなどで、胃内視鏡検査を実施のうえピロリ菌陽性となった方は持参ください。
当院から、対応医療機関に胃内視鏡を紹介対応もさせて頂いております。
ピロリ菌除菌後の判定検査:
尿素呼気試験 または 便中抗原測定 が推奨されますが、当院では、最も推奨されるゴールドスタンダードである尿素呼気試験を実施しています。これは、検査薬を服用し、吐く息を調べる検査で、非侵襲的で精度が高く、除菌後の判定に最適とされています。
ただし、除菌治療終了から6週間~8週間以上(2か月~)経過してから行います。
ピロリ菌の除菌治療
1種類の「胃酸分泌抑制薬」と2種類の「抗菌薬」の合計3剤を、1日2回、7日間連続で服用する3剤併用療法が標準です。
一次除菌療法
• 薬剤の組み合わせ: 胃酸分泌抑制薬 + アモキシシリン + クラリスロマイシン
二次除菌療法
一次除菌に失敗した場合に行います。
• 薬剤の組み合わせ: 胃酸分泌抑制薬 + アモキシシリン + メトロニダゾール(クラリスロマイシンから変更)
一次・二次除菌療法を合わせると、最終的な除菌成功率は95%~98%に達します。
尿素呼気試験とは?
尿素呼気試験は、患者さんの身体的負担が極めて小さい高精度な検査で感度97.7%、特異度98.4%と非常に高い精度を誇ります。
• 仕組み:
検査薬「ユービット錠」などに含まれる¹³Cで標識された尿素を服用します。
ピロリ菌が存在すると、そのウレアーゼ酵素によって尿素が分解され、¹³Cを含む二酸化炭素(¹³CO₂)が発生します。
これが呼気中に排出されるため、服用前後の呼気を比較して¹³CO₂の増加量を測定し、感染の有無を判定します。
• 所要時間:20分程度。

呼気試験前:注意事項
●食事
当院では、14時~の診療開始前の検査予約枠で呼気試験を行います。当日は、昼食をとらずに(午前10時以降~)受診ください。
:精度の高いデータはありませんが、少しでも検査精度をあげるためとなります。医療機関によっては6時間以上空腹を推奨して
いるところもありますが、当院では最低4時間としています。
●飲酒
検査前日~は、飲酒を控えてください。
:精度の高いデータはありませんが、少しでも検査精度をあげるためとなります。
●喫煙
検査サンプルが呼気ですので、検査精度をあげるために検査前の喫煙は控えてください。
●内服薬の注意事項
PPI製剤などの胃酸を強く抑える薬、抗菌薬(抗生物質)、ビスマス製剤、抗ウレアーゼ活性のある薬剤は、検査日前の2週間は
投与中止としてください。詳細は、医師に確認/相談してください。