乳幼児への第1世代抗ヒスタミン薬
- feverworkup
- 9月3日
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更新日:9月4日
赤ちゃん/乳幼児のお薬と注意点

昭和の頃から慣習的に良かれと思って、風邪やアレルギーの際によく使われてきた眠気の強い副作用のある「第1世代抗ヒスタミン薬」。 残念ながら、眠気や喉の渇きなどの副作用の少ない「第2世代抗ヒスタミン薬」であっても風邪により鼻炎には、症状を軽減するような効果がないとされています・・・。
アレルギー性鼻炎においても、原則はステロイド点鼻薬であり、それだけで効果が不十分な患者さんに効果を高めるために第2世代抗ヒスタミン薬の中でも中枢移行性の少ない薬を選択して処方する/内服するというのが現在の考え方となったいます。
第2世代+第1世代抗ヒスタミン薬の2剤併用によって、効果を高めるというイメージが昭和時代の医療でなされていましたが、いまや、デメリットが勝るとされ、眠気の副作用と利用することで睡眠の質を良くするという根拠もなく、イメージでしかなかったというのが現状だったりします。また、夜飲むからいいというものも昭和の都市伝説だったりします。
その理屈でいうと睡眠薬として、飲んでいるという論理になってしまうだけですし・・・。 「眠くなる≒睡眠の質がよくなる」というのはイメージでしかなく、1日中ぼーっとするということでしかないということになります。 昔は、下記のヒドロキシジン塩酸塩(アタラックス、アタラックスP)などは20~30年以上前には、全身手術前の鎮静剤として成人などにも処方されていたぐらい非常にぼーっとする薬剤だったりします。
しかし、今でも処方され続けている医療機関もまだあり、学びのアップデートが不可欠となってります。
この論文では、第1世代抗ヒスタミン薬は、
小児全体(6ヶ月〜7歳以上)
第一世代抗ヒスタミン薬を処方された小児全体では、痙攣発作のリスクが22.0%高まるという関連性が見られました。
特にリスクが高い2歳未満のお子さん(生後6ヶ月〜24ヶ月)
この年齢層に限定すると、第一世代抗ヒスタミン薬の処方によって、痙攣発作のリスクが49%高まるという結果が示されました。これは他の年齢層に比べて特に高い数字です。
特に、生後6か月から24か月のお子さんでは、このリスクがさらに高く、他の年齢層のお子さんに比べて顕著に増加することが示されています。
この年齢の赤ちゃんが影響を受けやすい理由は、以下の通りです。
脳が急速に発達している時期である
脳を守るバリアがまだ未完成である
薬を分解・排出する機能がまだ未熟である
乳幼児に適応のある主な第一世代抗ヒスタミン薬
クロルフェニラミンマレイン酸塩
先発品名:ポララミン
メキタジン
先発品名:ゼスラン、ニポラジン
オキサトミド
先発品名:セルテクト
ピプリヒドリナート
先発品名:サリグー
ヒドロキシジン塩酸塩
先発品名:アタラックス、アタラックスP
特に、既熱性けいれん、神経学的疾患などのあるお子さんには要注意です。



