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B型肝炎のウイルス抗体価 学びの治療
医療系学校、就職先にB型肝炎/麻疹/風疹/水痘/おたふくの抗体検査をすることが多く、そこで抗体価が低かった場合に
医療機関でのワクチン接種をするようにいわれることがあります。
B型肝炎ワクチンの基本3回接種済、麻疹/風疹/水痘/おたふくワクチンのの基本2回接種済をしても抗体価が低いとさ
れている場合に、どのように考え、どのように対応していく、追加ワクチン接種をしていけばいいのかの問い合わせの相談受診などが春先に増えます。

B型肝炎のワクチンは、①「初回」+②「約1か月後(4週間後)」+③「約5~6ヵ月後(約20〜24週間後)」のタイミングで合計3回(基本セット)打つことで、しっかりと免疫をつけます。

1. 過去に3回打ったけれど免疫が不十分だった場合には、どうすればいいの?
過去に3回打ったけれど免疫が不十分(抗体の数値が基準である「10 mIU/mL」未満)だった場合、追加でワクチンを打ちますが、以下の2つのオプション(方法)から選ぶことができます。
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オプションA(最初から3回打つ方法):最初からもう1セット(合計3回)を計画して打ち直します。
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オプションB(1回ずつ様子を見る方法):まずは1回だけ追加接種し、1〜2ヶ月後に血液検査を実施します。ここで抗体の数値が「10 mIU/mL以上」に上がっていれば、そこで終了です。もし「10 mIU/mL未満」で不十分だった場合は、すぐに2回目を追加で打ち、さらに期間をあけて3回目を打つことで、最初の1回と併せて1セット(計3回)を完了させます。
(※ただしオプションBは、途中で検査を挟むため、通常の「1回目の約1か月後(4週間後)に2回目を打つ」というスケジュールからは遅れてしまい、スケジュール管理が少し複雑になるという注意点があります。
すべて原則、ワクチンも抗体価測定採血検査も自費になりますので、どちらを選択するのかは要相談となります。3回接種を追加接種とすることでより抗体価があがるだけですので、スケジュール管理や中途採血抗体価を測定する侵襲性とコストを考えるとオプションAを選択する方法がよいとも考えられます。

2. なぜ「1〜2ヶ月後」に検査するの?
合計3回(1セット)のワクチンを打ち終わった後、あるいはオプションBで1回追加した後に抗体検査をするのは、免疫の数値(HBs抗体)が一番高くなり、最も正確に判定できるのが「1〜2ヶ月(4〜8週間)後」だからです。 これより遅く検査してしまうと、一度は十分に上がっていた数値が時間とともに少し下がってしまい、「本当は10 mIU/mL以上の免疫がついているのに、検査のタイミングが遅かったせいで『免疫が足りない』と誤っ て判定されてしまう」のを防ぐためです。

3.「ノンレスポンダー(ワクチンが効きにくい人)」ってなに?
1セット(3回接種)のワクチン接種で40歳未満の約92%、40歳以上の約84%が抗体を獲得します。
抗体がなくて、追加でさらに1セット接種しても、つまり、B型肝炎ワクチンを正しく合計6回(3回×2セット)打っても、体質などにより免疫の数値が10 mIU/mLまで上がらない方が一定数いらっしゃいます。具体的には、40歳未満で約8%、40歳以上で約16%の方がこれに該当し、このような方を「ノンレスポンダー(ワクチン不応者)」と呼びます。
この数字は、「1セット打てば大半の人は安心だが1割前後の人はまだ免疫がついていないので、追加の接種が必要になる」ということを示しています。また、年齢が上がるにつれて少し免疫がつきにくくなる傾向があるため年齢によって獲得率に違いがあります。
だからこそ、人の血液に触れる可能性のある医療関係者は特に、ただワクチンを打って終わりにするのではなく、1セット打ち終わった後に「自分は1回目でしっかり免疫を獲得できたグループに入っているか、それとも追加接種が必要なグループか」を血液検査で確実にチェックすることが重要になります。そのため、医療系学校に就学、医療系職種に就職する際には、抗体価の測定が必須と
されているのです。

4. なぜB型肝炎だけ「免疫の数値」を厳しくチェックするの?
麻疹/風疹/水痘/おたふくのワクチンは「1歳以上で2回打った記録」があれば、抗体検査は必須ではないとされています。 一方、B型肝炎ウイルスは、医療現場などで血液に触れたり針が刺さったりしたときに、非常に感染しやすいという強い危険性を持っています。そのため、「自分にしっかり免疫がついているか」あるいは「ワクチンが効きにくい体質か」を、「10 mIU/mL以上」という具体的な数値で必ず確認・証明しておくことが、いざという時に命を守るためにとても重要になるのです

5.ノンレスポンダーの人が、もし血液に触れる事故にあったら?
もしワクチンが効きにくいノンレスポンダーの方が、ウイルスが含まれているかもしれない血液に触れる事故(針刺し事故など)にあってしまった場合は、ワクチンの追加ではなく、ウイルスを直接やっつける特別なお薬(抗HBs人免疫グロブリン:HBIG)を使います。事故の「直後」と「1ヶ月後」の合計2回、このお薬を注射することで、厳重に感染を防ぎます。

ワクチンや感染症全般の知識を日々アップデートしている医師に母子手帳を持参のうえ、受診し、相談のうえ計画を立ててもらうことが最も重要となります。これは、これから、医療現場で学ぶ/働くあなたを守るためのお話です。
