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 皮膚感染症/アレルギー疾患には、尋常性ざ瘡(ニキビ)・アトピー性皮膚炎・粉瘤/アテローマ/表皮嚢腫・蕁麻疹・帯状疱疹・蜂窩織炎・丹毒・毛嚢炎・爪周囲炎・爪周囲膿瘍・汗疱性皮膚炎など様々あります。

 その皮膚病変が、炎症・ウイルス感染症・細菌感染症・真菌感染症・アレルギー反応を起こしているのか?また、受診時に皮膚の状態がどのPhase(状態)にあるのを見極めるのが重要となり、それが医師の仕事になります。当院の院長は、20年以上にわたる感染症/アレルギー疾患/皮膚外傷・熱傷の専門的な知識と臨床経験をもとに多くの患者さんに対応させて頂いております。もちろん特殊な皮膚疾患や難治症例、紫外線照射/レーザー治療などの必要な症例に関しては、対応​可能な皮膚科専門医療機関に紹介し、連携治療をさせて頂いており、なんとなくの治療を漫然とすることはしません。

 抗生物質(抗菌薬)を使用する場合には、どういった細菌を想定するかで種類が異なり、炎症を抑えるためにステロイド軟膏を使用する場合にも部位や患部の状態に応じて、「強さ」を選択する必要性があります。

尋常性ざ瘡(顔ニキビ):白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビ・嚢胞・瘢痕

 ニキビには、現在、様々な軟膏が保険診療で使え、毛穴の詰まりを取り除く効果があるディフェリンゲル」(=アダパレン)、それに加えニキビの原因菌を殺菌するベピオゲル、強力な殺菌効果のある「デュアック配合ゲル」(=ベピオゲル+ダラシンTゲル)、難治性のニキビに用いられるエピデュオゲル」(=ベピオゲル+ディフェリンゲル)などがあり、抗生物質(抗菌薬)の内服薬としては、ミノマイシン、ビブラマイシンなどが効果的ですが、状態に応じての判断が必要になります。ニキビは、毛穴が詰まることで炎症が起き、過剰なニキビ菌(アクネ菌)が増えることでひどくなることがある皮膚感染症です。抗菌薬が必要となる場合には、発赤・腫脹・疼痛・熱感が見られた場合に必要となりますが、原則として、皮膚ケア/生活習慣の改善とともに毛穴の詰まりを取り除き、炎症を抑えていくことがメインとなり、漫然とした抗生物質(抗菌薬)の使用はデメリットが勝ります・・・

過酸化ベンゾイル:殺菌作用+ピーリング作用(皮膚表面の古い角質を除去する)

​アダパレン:レチノイド(ビタミンA誘導体)様作用。皮膚の角化(皮膚表面を作る細胞が生まれて角質になるまでの過程)を調節し、毛穴のつまりを改善。白ニキビへの効果が高く、赤ニキビを緩やかに減少させる効果。

ベピオゲル、エピヂュオゲルには、過酸化ベンゾイル2.5%デュアック配合ゲルには、過酸化ベンゾイル3.0%配合されています。

 安易な抗生物質(抗菌薬)の使用により、現在、ニキビ菌(アクネ菌)も耐性菌が非常に増えてきています。以前は効果が期待できていた「ダラシンTゲル」などは効果が期待できなくなっており、同成分のある「デュアック配合ゲル」も同様となります。何科であろうと感染症の専門的な知識がないと難しい時代になっています。抗菌薬配合軟膏にて「アクアチム(ナジフロキサシン)軟膏/クリーム/ローション」「ゼビアックスクリーム/ローション」もありますが、安易な使用や長期塗布は国内のガイドラインでも推奨されていません

 

 

 

 

 

ピーリング効果に伴う副反応(赤みを伴うヒリヒリ/乾燥)を軽減する方法】:左記リンク動画1分16秒~

 

方法1:保湿剤と重ねて外用したり乾燥が強い場合は、保湿剤を頻回に塗ります。

    注意点としては保湿剤自体が肌に合わない事があったり、保湿剤によりニキビができてしまう場合があります。

方法2:塗って刺激を感じたら洗い流してしまいます。この薬の成分は大体10分から15分で浸透するので刺激が強すぎる方は

    洗い流すというのも1つの選択肢です。少しずつ肌に慣らしていくのがポイントになります。

顔全体に塗る場合の目安は、人差し指の先から第一関節までの長さ1FTU(約0.5g)量になります。

              顔全体に1か月使用すると1本分(15g)になります。

マラセチア毛包炎(二の腕ニキビ、胸ニキビ、背中ニキビ)

 主に若い人の胸や背中、腕などに、にきびのような赤いポツポツができる病気で、毛包炎(もうほうえん)とは、毛穴の奥にある毛根を包んでいる毛包に起こる炎症のことをさし、マラセチアが毛包内で増殖して炎症が起こった状態を「マラセチア毛包炎」と呼びます。

 

これは、細菌ではなく、マラセチアという真菌(カビ)が原因となりますので、イトラコナゾールやフルコナゾールなどの抗真菌薬が使用されます。塗り薬で治癒することもありますが、効果が十分でない場合には飲み薬として使用されることもあります。一度よくなっても再発しやすく予防も大切です。夏に悪化することが多いので、汗を吸収して素早く乾くような肌着や季節にあった衣類を着用すること、汗をかいたらシャワー浴することを心がけましょう。

:大きさの違い

ニキビもマラセチア毛包炎も胸や背中などでもできますし、どちらも1か所に1個だけできることもあれば、複数個できてしまうこともあります。ニキビは。大きさが直径数mm~2cmまでさまざまですが、マラセチア毛包炎は直径2~3mmで均一な大きさをしています。専門的な知識をアップデートしている医師に見極めてもらえましょう。

:治療薬

 

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは、かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚の炎症/アレルギー疾患です。皮膚の「バリア機能(外界のさまざまな刺激、乾燥などから体の内部を保護する機能)」が低下し炎症が起き、外からアレルゲンなどの刺激が入りやすくなります。

<外用薬:軟膏>

1:ステロイド外用薬 (治療の基本)様々な強度あり、部位や状態に応じて使い分ける

2:プロトピック軟膏(一般名:タクロリムス)0.03%製剤、1.0%製剤

3:コレクチム軟膏(一般名:デルゴシチニブ)0.25%製剤、0.5%製剤(成人用。小児も使用可能)

4:モイゼルト軟膏(一般名:ジファミラスト)0.3%製剤、1.0%製剤

<経口薬:飲み薬>

経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬(12歳以上)

<注射薬>

ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体 皮下注射(6カ月以上)

ヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体 皮下注射(6歳以上)

プロアクティブ療法(症状が良くなったあとも計画的に抗炎症薬を塗って悪化を防ぐ治療法)により「維持」を行います。薬の使用間隔を患者さんの状態に応じて調整しながら減らすことで、いい状態を維持できるようにしていきます。様々なお薬がありますが、ステロイド外用剤が治療の基本となるお薬です。

治療を開始して、見た目がきれいになったとしても目に見えない皮膚の部分も見える湿疹の部位と同じ炎症があることがわかっており、湿疹が見えない部分のところの治療をやめてしまうと、再燃することが多くになります。治療のポイントは、

すぐに抗炎症治療をやめずに、医師と相談しながら、徐々にお薬をへらしていくことで、炎症を抑えた状態を維持し、見えない部分の炎症もよくしていくこと重要になります。

プロアクティブ療法は、

「皮膚炎がひどくなった時だけでなく、消失した後も定期的にステロイド外用剤を塗布することで皮膚炎の再発を未然に抑制し、最終的に保湿剤によるスキンケアのみでいい状態を維持する治療」

それに対して、

リアクティブ療法は、

「皮膚炎がひどくなった時にだけステロイド外用剤を塗布し、皮膚炎が消失し寛解状態になったら保湿剤だけで維持し、皮膚炎の再発があった場合のみ再びステロイド外用剤を塗布する治療」

軽症の場合は、この治療方法で十分にコントロールが可能です。


いずれの方法を選択するかは、重症度にもよりますので、医師と相談して見極めていく必要性があります。

ステロイド外用薬の副作用については、「免疫抑制」、「成長障害」、「糖尿病」などという話を聞いたことがあるかもしれませんが、これらは、外用(塗る)ではなく全身投与(内服や注射)で漫然と使用した場合のものです。

また、ステロイド外用薬の使用で皮膚に色素沈着(黒ずんだ色調になること)が起こるのではないかと心配される方も多いのですが、これは薬剤の副作用ではなく皮膚の炎症が長く続いたことによるもので、適切な湿疹の治療により防ぐことができます。

重症/難治性であると判断し、経口薬や注射薬が適応となる場合には、総合病院の皮膚科にご紹介し、対応しております。

粉瘤/アテローマ/表皮嚢腫

皮膚の内側に袋状の構造物ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)や皮膚の脂(皮脂)が、袋の中にたまってできた良性の皮下腫瘍(嚢腫)のことで、背中や下腹部、臀部、首筋や耳周囲、顔にもよく出ます。感染症を起こすまで基本的に無症状です。

ドーム状のふくらみを有し、中心部に臍のような凹みやコメドといわれる角栓がみられることが多く、そこの穴から独特の臭いが出ることもあります。 粉瘤は、皮膚から自然に剥がれ落ちるはずの垢や皮脂が皮内や皮下に溜まり、皮下に袋状のできものを形成します。この袋状のできものは一度できてしまったら、袋ごと完全に体外にとり出さないとなくなりません。

 

中途半端な手術を行い、袋の破片が一片でも残るとまた再発します。くりぬき法という5~10分でと嚢腫壁を取り出す治療が流行していた時期がありますが、最近は、袋の内容物が被膜ごときれいに取り切れていないことも多く、再燃しやすいとされ、感染が落ち着いてから、麻酔下できれいに摘出することが理想的とされています。


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顔/胸/背中にも保険適応あり

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抗菌薬配合だが耐性化で効果なし

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皮膚感染症/アレルギー外来

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