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2023年12月~:待ち時間を減らし、診察にゆとりをもって対応するために【時間枠予約】としております。1日60~70名の診察人数の制限がでることになり、日によっては対応できないこともあります。精度の高い医療を提供させていただくためにご理解の
程、宜しくお願い致します。
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当院では、「見る」ではなく
「診る/診立てる」という本来の診察に
こだわりをもって対応し
不要な検査や薬は実施/処方せず
根拠をもって行い
【説明処方箋:0円】は必ず処方することを
心がけております。
感染症予備校
since2006
皮膚感染症/アレルギー疾患には、尋常性ざ瘡(ニキビ)・アトピー性皮膚炎・アテローム(粉瘤/アテローマ/表皮嚢腫)・蕁麻疹・帯状疱疹・蜂窩織炎・丹毒・毛嚢炎・爪周囲炎・爪周囲膿瘍・汗疱性皮膚炎など様々あります。
その皮膚病変が、炎症・ウイルス感染症・細菌感染症・真菌感染症・アレルギー反応を起こしているのか?また、受診時に皮膚の状態がどのPhase(状態)にあるのを見極めるのが重要となり、それが医師の仕事になります。
抗生物質(抗菌薬)を使用する場合には、どういった細菌を想定するかで種類が異なり、炎症を抑えるためにステロイド軟膏を使用する場合にも部位や患部の状態に応じて、「強さ」を選択する必要性があります。
尋常性ざ瘡(顔ニキビ):白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビ・嚢胞・瘢痕
ニキビには、現在、様々な軟膏が保険診療で使え、毛穴の詰まりを取り除く効果がある「ディフェリンゲル」、それに加えニキビの原因菌を殺菌する「ベピオゲル」、強力な殺菌効果のある「デュアック配合ゲル」、難治性のニキビに用いられる「エピデュオゲル」などがあり、抗生物質(抗菌薬)の内服薬としては、ミノマイシン、ビブラマイシンなどが効果的ですが、状態に応じての判断が必要になります。ニキビは、毛穴が詰まることで炎症が起き、過剰なニキビ菌(アクネ菌)が増えることでひどくなることがある皮膚感染症です。抗菌薬が必要となる場合には、発赤・腫脹・疼痛・熱感が見られた場合に必要となりますが、原則として、皮膚ケア/生活習慣の改善とともに毛穴の詰まりを取り除き、炎症を抑えていくことがメインとなり、漫然とした抗生物質(抗菌薬)の使用はデメリットが勝ります・・・
安易な抗生物質(抗菌薬)の使用により、現在、ニキビ菌(アクネ菌)も耐性菌が非常に増えてきているため、以前は効果が期待できていた「ダラシンゲル」などは厳しくなり、同成分のある「デュアック配合ゲル」も同様に抗菌効果は期待できなくなっており、感染症の専門的な知識がないと難しい時代になっています。
マラセチア毛包炎(二の腕ニキビ、胸ニキビ、背中ニキビ)
主に若い人の胸や背中、腕などに、にきびのような赤いポツポツができる病気で、毛包炎(もうほうえん)とは、毛穴の奥にある毛根を包んでいる毛包に起こる炎症のことをさし、マラセチアが毛包内で増殖して炎症が起こった状態を「マラセチア毛包炎」と呼びます。
これは、細菌ではなく、マラセチアという真菌(カビ)が原因となりますので、イトラコナゾールやフルコナゾールなどの抗真菌薬が使用されます。塗り薬で治癒することもありますが、効果が十分でない場合には飲み薬として使用されることもあります。一度よくなっても再発しやすく予防も大切です。夏に悪化することが多いので、汗を吸収して素早く乾くような肌着や季節にあった衣類を着用すること、汗をかいたらシャワー浴することを心がけましょう。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは、かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚の炎症/アレルギー疾患です。皮膚の「バリア機能(外界のさまざまな刺激、乾燥などから体の内部を保護する機能)」が低下し炎症が起き、外からアレルゲンなどの刺激が入りやすくなります。
<外用薬:軟膏>
ステロイド外用薬 (治療の基本)
タクロリムス水和物軟膏(2歳以上)
ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬
ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬
<経口薬:飲み薬>
経口ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬(12歳以上)
<注射薬>
ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体 皮下注射(6カ月以上)
ヒト化抗ヒトIL-31受容体Aモノクローナル抗体 皮下注射(6歳以上)
プロアクティブ療法(症状が良くなったあとも計画的に抗炎症薬を塗って悪化を防ぐ治療法)により「維持」を行います。薬の使用間隔を患者さんの状態に応じて調整しながら減らすことで、いい状態を維持できるようにしていきます。様々なお薬がありますが、ステロイド外用剤が治療の基本となるお薬です。
治療を開始して、見た目がきれいになったとしても目に見えない皮膚の部分も見える湿疹の部位と同じ炎症があることがわかっており、湿疹が見えない部分のところの治療をやめてしまうと、再燃することが多くになります。治療のポイントは、
すぐに抗炎症治療をやめずに、医師と相談しながら、徐々にお薬をへらしていくことで、炎症を抑えた状態を維持し、見えない部分の炎症もよくしていくこと重要になります。
ステロイド外用薬の副作用については、「免疫抑制」、「成長障害」、「糖尿病」などという話を聞いたことがあるかもしれませんが、これらは、外用(塗る)ではなく全身投与(内服や注射)で漫然と使用した場合のものです。
また、ステロイド外用薬の使用で皮膚に色素沈着(黒ずんだ色調になること)が起こるのではないかと心配される方も多いのですが、これは薬剤の副作用ではなく皮膚の炎症が長く続いたことによるもので、適切な湿疹の治療により防ぐことができます。
重症/難治性であると判断し、経口薬や注射薬が適応となる場合には、総合病院の皮膚科にご紹介し、対応しております。
アテローム(粉瘤/アテローマ/表皮嚢腫)
皮膚の内側に袋状の構造物ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)や皮膚の脂(皮脂)が、袋の中にたまってできた良性の皮下腫瘍(嚢腫)のことで、背中や下腹部、臀部、首筋や耳周囲、顔にもよく出ます。感染症を起こすまで基本的に無症状です。
ドーム状のふくらみを有し、中心部に臍のような凹みやコメドといわれる角栓がみられることが多く、そこの穴から独特の臭いが出ることもあります。 粉瘤は、皮膚から自然に剥がれ落ちるはずの垢や皮脂が皮内や皮下に溜まり、皮下に袋状のできものを形成します。この袋状のできものは一度できてしまったら、袋ごと完全に体外にとり出さないとなくなりません。
中途半端な手術を行い、袋の破片が一片でも残るとまた再発します。くりぬき法という5~10分でと嚢腫壁を取り出す治療が流行していた時期がありますが、最近は、袋の内容物が被膜ごときれいに取り切れていないことも多く、再燃しやすいとされ、感染が落ち着いてから、麻酔下できれいに摘出することが理想的とされています。