伝染性紅斑(リンゴ病)が流行しています!
- feverworkup
- 7 日前
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更新日:6 日前
伝染性紅斑(リンゴ病)をわかりやすく解説します。
伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)は、
「リンゴ病」とも呼ばれる、主に子どもに多いウイルスの感染症です。
しかし、大人もかかることがあります。
どんな病気?
原因:ヒトパルボウイルスB19というウイルスが原因です
誰がかかる?
:幼児や小学生に多いですが、大人や乳児もかかることがあります。
どんな症状がでるの?
・ほっぺが赤くなる
:両ほほが、リンゴのように赤くなります
(これが「リンゴ病」と呼ばれる理由です)
・発疹(ほっしん)
:その後、腕や足、体にレースや網のような赤い発疹が広がります
・風邪のような症状
:発疹が出る前に、熱、だるさ、鼻水、筋肉痛などの軽い風邪症状が出ることがあります
●大人の場合
:関節が痛くなることが多いです。
子どもより顔の発疹が少なく、手足や体に発疹が出ることがあります
関節痛・関節炎が高頻度(約60%)に見られ、数週間から数カ月まれに数年持続する ことがあります。小児では関節痛は約8%と稀です。
成人では皮疹の頻度が小児より低く、あっても顔面ではなく四肢や体幹に多く、レース
状・網状紅斑、点状出血など多彩です。
●症状が出ない人もいる
:4人に1人くらいは、感染しても症状が出ません(不顕性感染)
うつる時期と感染経路は?どうやってうつる?
:飛沫感染(咳やくしゃみでうつる)と接触感染(ウイルスがついた物を触る)
感染力が高い/うつりやすい時期は?
:発疹が出る前、風邪のような症状がある時が1番強いとされます。
➡微熱や風邪のような症状が出ている時期、だいたい、発疹が出る7~10日前
ウイルス血症の時期(発疹出現前のインフルエンザ様症状の時期)が最も感染力が強いですが、この時期は典型的な症状がなく診断に至らないため、対策が非常に難しくなります。
:発疹が出るころには、ほとんどうつりません。登園・登校も可能です
➡発疹出現時期には抗体が産生されウイルス血症は終息に向かい、
周囲への感染性はほとんどなくなります。
潜伏期間(うつってから症状が出るまでの期間)は?
10日〜20日くらいです
予防方法はありますか?
特別なワクチンや薬はありません
手洗い・うがいをしっかりしましょう。
人混みを避ける、家族で食器を分けるなども予防に役立ちます
妊婦さんや重い貧血のある方は特に注意。流行時は、妊婦さんは保育園や学校など流行している場所に近づかないようにしましょう
治療方法はありますか?
自然に治る病気です。
特別な治療は不要。症状がつらい時は、痛み止めを使うことがあります
抗生物質やインフルエンザの薬は効きませんので処方すべきではありません・・・。
重症化する場合は、どのようなことがありますか?
妊婦さんがかかると、お腹の赤ちゃんに影響が出ることがあります(胎児水腫など)
重い貧血のある人(例:鎌状赤血球症)がかかると、急に貧血が悪化することがあります
免疫が弱い人は、長引く貧血になることもあります
重症化しやすい人と主なリスク
妊婦
妊娠中に初めて感染すると、胎児にウイルスがうつり、胎児水腫や流産・死産などの重大な合併症を引き起こす可能性があります。
免疫力が低下している人
免疫不全状態(例:化学療法中、臓器移植後、免疫抑制剤使用中など)の方は、ウイルスを排除できず、長期間にわたる重い貧血や重篤な合併症(無顆粒球症など)を起こすことがあります。
慢性貧血や血液疾患のある人
鎌状赤血球症などの溶血性貧血がある方は、感染により急激に赤血球が作られなくなり、重い貧血発作(無形成発作、aplastic crisis)を起こすことがあります。
まとめ
伝染性紅斑(リンゴ病)は、子どもに多い、ほっぺが赤くなるウイルスの病気です。
風邪のような症状の時が一番うつしやすく、発疹が出た後はほとんどうつりません。
多くは自然に治りますが、妊婦さんや重い貧血のある方は特に注意しましょう。