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 院長著書「Phaseで見極める!小児と成人の風邪の診かた&治しかた」

 p161より抜粋

 

 咽頭扁桃炎の90%は抗菌薬(抗生物質)が不要なウイルス性であり、抗菌薬が必要となる細菌性咽頭扁桃炎となるのは10%ほどといわれています。

 細菌性のほとんどは、A群溶連菌という細菌であり、咽頭や扁桃の所見や前頸部リンパ節の腫れなども含め、総合的に可能性が高いと判断とした場合に綿棒で扁桃を擦過する迅速検査を行います。

 それで陽性となった場合にペニシリン系抗菌薬を処方すると周囲への感染力も24時間で軽減し、重症化や合併症を予防できるとされます。

 A群溶連菌以外に嫌気性菌が原因となることもあったり、3歳未満の場合には、重症化したり合併症を起こすことが少なく、保菌していることも多いので、本当に治療が必要かという見極めも重要となります。

また、3歳未満の乳児においては20%で溶連菌をのどに保有し、小学生でも15%、成人でも5%保有しています。やみくもに溶連菌の迅速検査をして陽性だったから、つまり、溶連菌がいたから、発熱の原因が溶連菌のせいであるわけでもありません・・・。

 のどの溶連菌がついて悪さをしている場合には、鼻炎や咳がなく、のどがひらすら痛く、腫れていたり、小児の場合にはお腹が痛かったり、発疹が出たりするのが特徴です。

 逆に鼻炎や咳が多い場合には、溶連菌が原因である可能性が低いといえます。

​ 症状を見極めて、溶連菌による咽頭扁桃炎の可能性が高いと見極めた場合にのみ、つまり、検査前確率が高い場合にのみ、溶連菌の迅速検査キットの結果は初めて信頼できるものになります。

 感染症に知識と経験のある医師の診断が必要な病気です。のどが赤いから、白い膿がついているから抗菌薬ではないのです。

 そして、昔ながらのルーチン尿検査も意味が

ないとうことは今や世界の常識だったりします。​昔の常識、今の非常識な内容も多く、そこの見極めと知識のアップデートが重要です。

咽頭扁桃炎外来